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2017年05月 アーカイブ

2017年05月03日

新刊書籍から《GOLDONI/劇場総合研究所 2017年5月》

『アーサー・ミラー Ⅳ 転落の後に/ヴィシーでの出来事』
倉橋健・訳 ハヤカワ演劇文庫 2017年4月刊

フォン・ベルク 思いませんか、ナチズムというものは……何はともあれ……卑俗さのかたまり、卑俗さの爆発だと?
バヤール それ以上のもののような気がしますがね。
フォン・ベルク (バヤールに、丁寧に)ええ、それはそうです。
バヤール あなたの話をきいていると、奴らはテーブル・マナーが悪いだけ、というような気がする。
フォン・ベルク ええ、まさにそうです。とにかく、洗練されたものを見ると、彼らは腹をたてるのです。頽廃的というわけです。
バヤール どういうことです、それは? 彼らのテーブル・マナーが悪いから、オーストリアを離れたというわけですか?
フォン・ベルク そう、テーブル・マナーと、愚劣な芸術への礼賛、八百屋の小僧あがりが制服を着こんでオーケストラに、どんな曲は演奏してはならんと文句つけるのですからね。国から出たくなるでしょうよ、ええ。
バヤール すると、彼らの芸術の趣味がよくて、テーブル・マナーが優雅で、オーケストラに何でも好きなものを演奏させてくれれば、それでいいというわけですね。
フォン・ベルク しかし、そんなことが可能でしょうか? 芸術を尊重する人間が、ユダヤ人狩りをするでしょうか? ヨーロッパじゅうを牢獄にし、みずからお巡りや犬畜生の役をかってでますか? 芸術的な人間にそんなことができますか?
モンソー ご意見には賛成したいですがね、フォン・ベルク公爵、でも、ドイツの観客はーーあそこで芝居をしたことがありますがーーあんなに芝居のこまかいニュアンスまで感じとってくれる観客は、ほかにはありません。尊敬の念をこめて劇場に座っているのです、まるで協会にいるみたいに。ドイツ人ほど音楽を真剣に聞く者はいません。そう思いませんか? 彼らには情熱がある。

フォン・ベルク (それが事実であることに言うべきことばを失い)そう、そのとおりでしょう。(間)なんと言ったらいいかーー(ひどく途方にくれ、沈みこむ)
ルデュック きっとこういうことをやっているのは、そういう連中ではないのだ。
フォン・ベルク じつは、多くの教養のある人たちが……ナチスになったのを知っている。そう、そうなんです。たぶん芸術では防ぎえないんでしょう。おかしなことだ、人間は或る思想をすぐ当然のことと受取ってしまう。今の今まで、考えていた、芸術こそが……(バヤールに)あなたの言うとおりかもしれないーーわたしにはよく判っていないのだ。実はわたしは、本来音楽家なんですーーもちろん、アマチュアとして。だから政治は絶対に……
(『ヴィシーでの出来事』より)

2017年05月10日

劇場へ美術館へ《GOLDONI/劇場総合研究所 2017年5月》

[演劇]
*5月12日(金)から5月26日(金)まで。 信濃町・文学座アトリエ
文学座アトリエの会公演
『青べか物語』
原作:山本 周五郎 脚色:戌井 昭人 演出:所 奏
出演:坂口 芳貞 押切 英希 松井 工 つかもと 景子 高橋 紀惠 ほか

[音楽]
*5月8日(月) 江戸川橋・トッパンホール
『コリヤ・ブラッハー 無伴奏ヴァイオリン・リサイタル 』
◉J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第1番ト短調BWV1001
◉ボリス・ブラッハー:4つのオーナメント
◉イザイ:無伴奏ヴァイオリンソナタ 第2番イ短調
◉J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第2番ニ短調BWV1004

*5月11日(木) 江戸川橋・トッパンホール
『トーマス・ツェートマイヤー J.S.バッハ 無伴奏ヴァイオリンの
ためのソナタ&パルティータ全曲 Ⅰ』
◉無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ 第1番ト短調BWV1001
◉無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第1番ロ短調BWV1002
◉無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番 ハ長調BWV1005

[美術]
*5月21日(日)まで。 京都・京都国立博物館平成知新館
『開館120周年記念 特別展覧会 海北 友松』

*5月28日(日)まで。 銀座・資生堂ギャラリー
『椿会展2017 ー初心ー』

*6月25日(日)まで。 西ヶ原・渋沢史料館
『渋沢栄一渡仏150年 渋沢栄一、パリ万国博覧会へ行く』

*6月25日(日)まで。 新橋・パナソニック汐留ミュージアム
『日本、家の列島 ーフランス人建築家が驚く
ニッポンの住宅デザイン』