『マルタ・アルゲリッチ 室内楽の夕べ』
30日の日曜日の夜は、サントリーホールで催された『マルタ・アルゲリッチ 室内楽の夕べ』。GOLDONIのご常連の内山崇氏と出会う。この半年ほどで、クラシック音楽の演奏会で氏をお見掛けするのは3度目。この広い東京でも、世界水準にある演奏を聴きに出掛ける習慣を持つ人の数は数千か。白洲次郎が所有していたルイ・ヴィトンの鞄が展示されている六本木ヒルズ52階での展覧会の情報をmailで戴いていたので、そのお礼のmailを午後に送らせて戴いたばかり。お出掛けの折、お読み下さったそうで、いつも頂戴する洋書などの資料とともに、厚かましくも「既にお読みであればお譲り下さいませんか」とお願いしていた、以前お買い戴いた諏訪正氏の『ジュヴェの肖像』(芸立出版刊)をお持ち下さった。この日の演目はハイドンの「ピアノ三重奏曲第25番ト長調」、シューマンの「ピアノ四重奏曲変ホ長調作品47」、メンデルスゾーンの「ピアノ三重奏曲第1番ニ短調作品49」。ヴァイオリンは堀米ゆず子、チェロに山崎伸子。この演奏会は、1月17日に予定されていたものだが、アルゲリッチが風邪引きで来日が遅れ、キャンセルになった為に急遽代替で開かれたもの。当初は、ルノー、ゴーティエ(チェロ弾きに相応しい名だ)のカプソン兄弟との共演だったが、堀米、山崎がピンチヒッターで出演。その任を充分に果していた。こちらも急遽聴くことにした演奏会は、豊かなものになった。代替公演の予告から十日足らずの公演、1階は満席、2階も9割方、バルコニーが7割強の入り。奔放でキャンセル魔のアルゲリッチだが、その人気とそれに見合う実力を久しぶりに実感した。