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松竹に『俳優の刑務所訪問』を勧める

母の義兄(私の伯母の夫)が法務省のキャリア官僚を務め、退職後その外郭団体の常務理事をしていた時のことだから、昭和の三十年代のこと。二十数年前まで沼袋にあった中野刑務所の隣りに伯父の勤める協会があったのか、6歳か7歳くらいのことで詳しくは覚えていないが、駅から暫く歩くと高い塀があった。確かその隣りに伯父と伯母が住む所長宿舎があった。そのとき以来行ったことは無いが、あの塀の高さとその不気味さは、幼い頃の怖い思い出だ。その何年か後、府中の刑務所(の隣りにあった宿舎)にも行ったことがある。その時は、もう中学生だったか、ここに収監されている服役囚が多数いることが判っていて、それはそれで怖いところだと思ったものだ。私には記憶が無いが、兄は伯父が静岡刑務所の所長時代の幼い頃に泊りがけで静岡に遊びに行き、偶然か看守に監視されながら所長官舎の庭を掃除する囚人を目の当たりにし、「悪いことをすると捕まり、刑務所に入れられる」とでも言われたのだろう、家に戻って開口一番「もう、いけないことはしません」と親に誓ったそうだ。
何年か前に、アメリカの刑務所の民営化についてのテレビ番組を観たことがある。カリフォルニア州のある町の中学校の課外授業の話だったと思うが、犯罪防止の教育の一環で刑務所を訪問し、複数の服役囚から罪を犯すことがいかにリスキーかを、身を持って体験した彼らから生徒が教えて貰っていた。
道路交通法違反で捕まり、舞台に穴をあけた中村福助といい、今回の無銭タクシー乗車、警官に対する暴行の公務執行妨害で逮捕された中村七之助といい、天晴れなものである。叔父と甥のこの二人、ともに華奢な体の女形である。七之助はスキャンダルに事欠かない親の躾に問題が無かったとはいえまい。では、体も大きく立役で、親の躾のよくない出来そこないが、街で暴れたらどうなるか。松竹の歌舞伎担当の経営幹部たちの不安が想像できる。必ずまたこんな事件が起きる。不安は杞憂に終らない。この際、松竹所属の歌舞伎俳優全員を連れて府中刑務所ヘ行き、講堂でも大勢の服役囚に囲まれて彼らの話を拝聴する機会を作ったらいい。