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『劇場法』あれこれ(二)

 <大恐慌時代にフランクリン・ルーズベルト米大統領が手がけたニューディール政策は大規模な地域開発や産業振興のほか美術や音楽、映画、演劇など文化振興へ向けた政策を国が進めて雇用や消費の拡大を図った。いわば公共事業として文化を支援して経済効果を期待した。
▼「国民の本当の豊かさ」を求めて、国会で与野党が法案作りを進めている「芸術文化振興基本法」の構想にも同じようなねらいがあるらしい。芸術家や団体に対する財政支援の強化や寄付税制上の優遇などを通して挙げられている欧米並みの「芸術文化大国」は結構な眺めに見えるが、国費をばらまいて逆にやせ細る不安も少なくない。
▼特殊法人改革で民営化論の的になっている日本芸術文化振興会が一例である。国立劇場と新国立劇場をかかえ、歌舞伎など伝統芸能やオペラの公演、後継者の育成を手掛けるこの組織について「劇団四季」の浅利慶太氏は官僚天下りで運営される非効率の典型と指摘し、特殊法人を通した助成金の流れが在野劇団の活力をそぐともいう。
▼もとより、日本の芸術文化活動に対する国の支援は欧米に比べて著しく低い。採算の困難な伝統分野はもちろん、メディアを介した文化の波及効果などを考えれば公的支援のすそ野はもっと広げるべきだろう。官僚や族議員の組織にたよらずに、税金を効率よく制作現場に生かして消費者をみたすしくみはいくらでも工夫の余地はあるはずだ。
(日本経済新聞2001年11月6日朝刊「春秋」)>

 省益拡大を図る文科省官僚、相変わらず票と金、利権漁りに熱心な文教族議員、助成金中毒患者と化した舞台芸術関係者の協働による劇場法成立の朝に。