先週末をもって、5年続けてきた『演劇書専門GOLDONI』の通常の営業を終えた。開業日にあたる9月13日から数日にわたって、mailでその旨のご挨拶を三百通ほど送信させて戴いた。以来、週末を中心に、そのmailと、当方のHPで通常営業の終了を知った方々の(中には初めてのご来店も。)最後のおつもりかもしれないご来店が相次ぎ、先月末の29日30日は、そんな事態を知らないフリの本探しの客もおちおち本を選んでいられないほど、時間によっては店内も店の外も、私を訪ねての訪問客で溢れ、碌にお相手も出来ず、お心遣いを賜っても数分でお帰り戴くようなことも多く、路地の周りの住人たちも、何の騒ぎかと覗きに現われるほどであった。
9月13日がGOLDONIの5周年であること、9月末での通常営業の終了と、次の構想の準備に入ることの案内と、HPのご笑読をお願いするmailであったが、来訪者の中には、この『提言と諌言』をお読みで(深読みされてか)、現在の演劇状況に絶望して、私がGOLDONIを畳み、どこぞへ消えてしまうのではとの懸念を抱いておられる方も多かった。中には休暇を取ったり早引けをしてお越し戴いたり、遠方から訪ねて見えた方も多かった。過分なお心遣いを賜ったりもしたが、そこには明確に餞別の意が含まれているものもあるかもしれず、また期せずして、来訪者それぞれの交情の念を改めて感じさせて戴く機会にもなった。
事前の来店予約制の営業形態を10月から始めようと計画していたが、30日の深夜になって、週末の金曜土曜の二日に限って店を開け、レファレンスなどに務めることを急遽決めた。週の他の五日間は、構想している『演劇空間GOLDONI』(仮称)のための調査研究と、事業の支援協力を依頼するために充てようと思っている。
事業の中身は、まだ固まってはいない。まだ固めようとはしていないというべきかもしれない。私ひとりでその青写真を描こうとは思っていない。当方のHPをお読み戴き、私の『提言と諌言』にお付き合い戴いている方が、協力してやろう、手伝いたいと、お声を掛けてくださることを、鶴首してお待ちしている。