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財団法人地域創造について(四)

 不見識極まる政府関係機関の人事について

 民主党が掲げる「政治主導」は、本来は政治の領分ではないことにまで彼らがはしゃぎ、出しゃばることの意であったことは随分と知られるところとなった。政府関係機関、審議会などの人事にもそれが見受けられる。政権党の意向を汲んだ各省官僚がお手盛りを含めた政策運営、人事選考をしていたことへの批判が民主党政権、取り分け政務三役にあるのであれば、政策の必要性を充分に明らかにして、より透明度を高めることに注力すべきだ。しかし、政権という玩具を手にしたあっぱれ達の振る舞い、その政治・行政運営は相変わらず拙い。自身の放漫経営でサッカー運営会社を9億円超の債務超過にさせ、首になったばかりの元自治省官僚を観光庁長官に起用、選りにも選って数年前に国税庁に脱税を摘発された漫画家をNHKの経営委員に任命、首相国会演説の振付から、国土交通省の成長戦略、文部科学省の文化政策にまで関わる非常勤の内閣官房参与のシンパたちに施策推進の委員を委嘱等々、これらの人事を進めた政務三役、とりわけ副大臣級の元官僚たちのはしゃぎぶりは尋常でないが、その政治センスの悪さ、人脈の薄さ、不見識さも際立っている。公的資金を注入して経営再建中の企業の創業者を、会社更生法を適用された国策企業の会長に選任するというブラック・ユーモアには驚かされたが、このたびの中国大使人事にも愕然とした。
 伊藤忠商事元社長で現在は相談役である丹羽宇一郎氏が中国大使に決まったことについては、定期購読している『FACTA』7月号に興味深い記事が出ている。≪仰天大使人事 丹羽「中国大使」を待つ内外ハシゴ外し≫。その記事の冒頭には、<民主党が専ら国民向けに「政治主導」を印象づけるのが狙いだ。ところが、「外交のプロ」が権謀術数の限りを尽くすことを誇りとする中国にとって、尖閣や海底ガス田権益から、軍事問題まで懸案を抱える日本が大使に素人を起用したことは、かえって「軽視された」という印象になる。菅新政権は発足早々に、「日米関係重視」を打ち出したが、初っ端から対中関係で大チョンボとなりそう>だとし、鳩山政権末期にようやく固まったこの人事に財界主流も冷淡であったことにも触れ、<「外務省にとっても、外交はおろか中国政治や軍事も素人の新大使はお荷物だろう。通訳なしでは中国語の会話ができない大使では、相手の私語が分からず舐められて政治も経済も「裸の王様」になる懸念があ>り、<中国がどうあしらうかは想像がつく。露骨な「丹羽パッシング」である。新大使は「旅行代理店の現地ガイド」の屈辱を味わうだけだ。丹羽さん、悪いことは言わない。晩節を汚したくないなら、この「民主党のぶら下げた」アンパンは食うべきではない。>と結んでいる。
 今後、丹羽氏が伊藤忠商事との関わりを絶つことで、その公平性、中立性を保とうとするであろうことは容易に想像でき、伊藤忠の中国ビジネス拡大に協力することはないとも思うが、『FACTA』も指摘するように、<三菱商事、三井物産などライバル商社は「大事な中国ビジネスで、もう大使館に相談に行けない」>、情報が<伊藤忠にツツ抜けになる>など危惧するだろうことも当然で、また、<日系企業の動静が全く大使の耳に入らず、使命である経済外交が空洞化する恐れは強>く、経済活動が委縮することにも繋がりそうである。
 ある組織、業界などと利害関係のある者が公的組織に入ることには、慎重であるべきだ。「利権」「利益誘導」の生じる恐れだけではない。本人の自制、業界の警戒心が災いして、却ってその組織、或いは業界などの活動を委縮、或いは変質させてしまうことがあるからだ。
 例えば、文化振興を図る目的で作られた公的組織に、利害関係のある者を加えればどうなるか。次回からは、その実例として、事業仕分けで配布された資料などをもとに、財団法人地域創造の役員構成、事業について調べることにする。