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財団法人地域創造について(三)

野球賭博と宝くじ

  財団法人日本相撲協会の野球賭博問題について、6月17日付けの朝日新聞社説は≪角界の賭博汚染―公益法人を返上せよ≫と主張、<もし角界を立ち直らせようとするのであれば、公益法人の資格を返上した上で、理事長は組織運営にたけた人物を外部から招き、外部理事の割合も過半数にする。外からの目が届きにくい「部屋」を中心にした独特の角界構造も徹底的に見直す。それくらいの改革をせねば、同じ過ちを重ねるだけだ。川端達夫文部科学相は相撲界が「再スタートの瀬戸際」だと述べた。この認識は甘い。とうに土俵から落ちている。協会を一度解体するくらいの荒療治をしなければ再生は無理だ。>としている。
 また、翌18日付けの産経新聞「主張」は、≪野球賭博汚染拡大 場所返上でウミ出し切れ≫とし、<名古屋場所開催を返上して暴力団との関係を断絶する必要がある。>とし、仙谷由人官房長官は「協会に果たしてマネジメント能力があるのか」と非難、文科省に強い指導を要請した結果が今回の第三者委員会設置である。理事長以下、全関係者が身をなげうつ覚悟で汚染の一掃に取り組まねばならない。>と名古屋場所の開催返上を主張した。
 参議院選挙向けパフォーマンスだとの批判を受けた民主党政権の「事業仕分け」(実際に政党レベルでは、一昨年から自民党政務調査会がこの事業仕分けを採用し、昨年度政府予算案編成時に、七千億円規模の予算削減を実現している。)でも、非常勤理事二名を除けば理事全員が角界出身者、身内で運営してきた組織で、百億円超の総事業費のうち、相撲興行という立派な営利事業が八十億円超、年寄株が数億円で売買されるという不思議な公益法人に本格的なメスが入らなかった。「天下り」叩きのパフォーマンスが眼目、公益法人の適格性も含めての本格的議論など、大衆迎合を専らとするパフォーマンスで取り上げるものでもなかったのだろう。朝日新聞が指摘するように、自民党政権時代から文部科学省の認識、対応は甘く、杜撰極まるものだった。産経新聞が主張するように、文部科学省はまずは早期に名古屋場所開催を取り止めさせるように指導すべきだと思うが、パフォーマンスは出来ても、「新しい公共」を「古い公共」たる政府主導で主唱するという矛盾に気付かないほどのアッパレたちに、本格的な公益法人改革に繋がるはずの日本相撲協会改組などの厳しい措置を期待することなど無駄だろう。

 本題の「宝くじ」だが、野球賭博の「寺(てら)銭」は賭け金総額の一割程度だというが、「宝くじ」の寺銭はそんなかわいいものではなく、五割を超えている。全国の自治体が発行した「宝くじ」の平成二十年度の売り上げは一兆四百十九億円、払い戻しにあたる当選金は四千七百六十一億円(総売上の45.7%)。収益金(「寺銭」)は純経費千百九十七億円(11.5%)を除いても四千四百五十九億円(42.8%)。この収益金のうち四千百七十八億円が宝くじ発行元の全国の自治体に、残りの二百八十一億円が委託宣伝費の名目で、今回の「事業仕分け」の対象になった「自治総合センター」「日本宝くじ協会」という総務省所管の公益法人に支出され、そこから「全国市町村振興協会」「地域活性化センター」「地域総合整備財団」「全国市町村研修財団」「自治体国際化協会」「自治体衛星通信機構」「地域創造」の六法人にも渡っている。
賭博行為は犯罪である。しかし、その犯罪の野球賭博の寺銭が一割で、公営の宝くじの収益は四割を超えるというのはどんなものか。五割を切る払戻金は、公営ギャンブルとしては如何なものだろう。繰り返すが、野球賭博の払い戻しは九割である。「地域の振興」やら「文化の振興」に寄与しようと宝くじを買い求める庶民はいないだろうし、寺銭が五割に近いということも知らなかっただろう。一兆円の掛け金の半分を懐にする、「濡れ手で粟」の悪徳を身に付けてしまった地方自治体、総務省が、今回の事業仕分けの評価結果を受けてどう動くのか。
 競馬を管轄する農林水産省、競輪の経済産業省、競艇の国土交通省なども同様であろう。これら官庁に対する事業仕分けは今後どうなるのか。自治体や、公営ギャンブル関連の公益法人のあり方について、本格的に検討するべき時期に来たと思うがどうだろう。