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財団法人地域創造について(二)


  前回 掲載した評価者コメントを整理する。
②「文化庁との連携も強化すべき」
⑤「他省庁との重複を見直す」
⑦「文科省(文化庁)の事業との融合を検討すべき」
⑪「他の公的組織の活用をはかる。地方六団体で見直して頂きたい」
㋔「希望する自治体と文化庁の橋渡しを行い、希望する自治体が文化庁と負担割合を決めればよい」
など、文化庁など他組織との「地域の文化・芸術活動支援事業」の連携、一本化を求める声が多かった。
 またその一方で、
ⓓ「宝くじ分担金ありきで、あえて文化庁との違いを強調して事業化したとしか思えない」
㋖「地方団体は、公共ホールを作った責任を感じながら、徹底的に利用状況の改善を図るべきで、予算増もやむを得ない」
⑭「各自治体が責任を持って一般財源により行うべき。この財団が行う必要はない」
など、文化施設の設置主体である公共団体の責任を問うコメントがあった。

⑧「判断基準、あるいは意志決定の責任を明確にすべき」
ⓔ「質と効果に対する判断材料が曖昧」
ⓖ「このようなオートマチックな負担で適切な効果測定や改善が行われるはずがない」
など、助成採択の判断基準の曖昧さへの指摘があり、

ⓑ「宝くじマネーに頼った運営では緊張感が生まれない」
との、事業そのものだけでなく、組織の在り方に対する厳しい意見もあり、「廃止」「天下り根絶」「事業の見直し」の声が大勢を占めた。

 これらのコメントの中で、特に気になるものは、
ⓓ「宝くじ分担金ありきで、あえて文化庁との違いを強調して事業化したとしか思えない」という意見である。
 「あえて文化庁との違いを強調して事業化したとしか思えない」とコメントした仕分け人が、上述のように②「文化庁との連携も強化すべき」⑤「他省庁との重複を見直す」⑦「文科省(文化庁)の事業との融合を検討すべき」などの文化庁など他組織との連携、一本化を求めたかどうかは判らない。財団設立が旧自治省主導の天下り先確保の方策と思わせる意見のようにも感じる。当時の旧自治省の中に、文化庁の「芸術文化振興」施策が、旧自治省が管掌する「地域振興」に不適、或いはカバーしきれないものとの認識があり、それが財団法人「地域創造」設立のきっかけになったのかもしれない。
 地域創造が、その設立目的に「 地方団体の要請に応えて芸術文化の振興による創造性豊かな地域づくり団体を支援する」とし、その活動方針として、「 文化・芸術活動を通じた地域の振興を支援」を掲げているが、これは、「地域の特色ある文化芸術の発展」を謳いながら、東京(中央)発信の地域への文化芸術普及に力点を置いてきた文化庁への対抗であったのではないか。