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GOLDONI開設11周年のご挨拶

 謹啓
 平素はご高配を賜りまして有り難うございます。
 さて、GOLDONIは本日九月十三日、開設十一周年を迎えました。
 開設当初は週五日、その後は週二日の変則営業でしたが、五年ほど前から営業を止め、今は稀覯本探究のお手伝い、高額新刊書籍の割引販売のご協力だけをしており、普段は書斎として使っています。
 二十数年前から、舞台芸術創造の基盤整備のための研究・実践機能を併せ持つ施設、舞台芸術図書館の開設を演劇人生の最終目標にして参りました。演劇専門書店の開設も、そのリサーチの為のものでした。
 この数年は蔵書の拡充に努めてきましたが、この先、今年度中には一般財団法人GOLDONI舞台芸術研究機構(仮称)を設立し、明年春までには活動拠点を新設、小さな図書閲覧室を構えて、近い将来のリタイアメントまでの短期間、舞台芸術とりわけ演劇への貢献を意識した最後の活動にしようと思っています。
 今後もご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。

 追伸
 本日は、幼少より崇敬してきました九代目市川團十郎(1838-1903)の正忌にあたり、青山霊園の團十郎、女婿の市川三升(没後、十代目市川團十郎追贈)(1882-1956)はじめ縁戚の墓前に、恒例にしている活動報告をして参りました。
 九代目病没の前後に青山墓地に移されて、墓所中央に立っている九代目以前の團十郎代々の墓の前に据えられた石作りの花立ては、私の幼少の時分からか、壊れているままでした。
 十一代、そして当代が、代々の團十郎とは血縁ではないにしても、その名跡をついだ者として、代々の團十郎を敬うことは当然のことです。
 墓守ひとつ満足に出来ない先代、当代。そして、代々の團十郎が眠る青山墓地のすぐそばの歓楽街で夜ごと遊び惚け、揚げ句の果て暴力事件に巻き込まれる虚けの当代海老蔵。 結果として分に不相応な、そして不実な三代を作ってしまった三升の墓前で、九代目没後から五十余年、市川家統領として歌舞伎を守ってきた三升の不憫を思い、思わず涙してしまいました。