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新聞・雑誌記事から  日経アーキテクチュア 2016年1月19日

「見えない席」改修費、槇事務所が全額負担

 2015年11月に完成した長野市芸術館の大ホールで、舞台の半分程度が見えない座席がある問題で、設計共同体の代表である槇総合計画事務所が改修工事費を全額負担することが分かった。16年1月12日に開かれた市議会総務委員会で明らかになった。

 市第一庁舎・長野市芸術館は鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造で地下2階・地上8階。延べ面積2万8460m2の複合施設だ。設計者は槇総合計画事務所・長野設計協同組合JV。芸術館大ホールは1292席の、音楽ホールを主とした多目的ホールだ。

 市によると、市第一庁舎・芸術館は免震偽装問題による免震材料の交換作業を除いて15年11月に完成。12月4日に引き渡しを受けた。12月8日に市の担当者が確認したところ、芸術館大ホールの2階の左右壁側にある約90席で、2階最前列席前の腰壁が視界を妨げるため、舞台の半分程度が見えないことが分かった。

218席を改修

 この問題について市建設事務局が槇総合計画事務所と協議。座席の脚を15~26cm延長して座面を高くする改修工事を行うことが決まった。座席が列単位で一体構造となっているため、舞台が見えにくい席を含む片側109席、左右両側の計218席を改修する。

 この工事によって、左右端部の特に舞台が見えにくい席でも舞台床面の約70%が見えるようになると見込んでいる。改修工事は5月8日に予定されているこけら落とし公演に間に合わせる計画とする。市建設事務局では、工事の着手は2月上旬を想定している。

 市建設事務局によると、槇総合計画事務所は設計の打ち合わせ時に「敷地条件などから1300席の確保は厳しい」と指摘していた。しかしその後、「中央部客席から舞台を見た視線を表した資料」によって舞台の見やすさに関して説明したものの、2階席に舞台が見えにくい席があるという説明はしなかった。
 市はこうした経緯から、市に過失はないと判断。槇総合計画事務所と協議した結果、槇事務所側が改修工事費を全額負担することで合意した。改修費は槇事務所が積算中だ。

 槇総合計画事務所の担当者は、「市芸術館大ホールのような囲み型ホールの設計は、広島県三原市の三原市芸術文化センターで経験していたので、同様のホールは設計できると考えていた。座席から舞台がどう見えるかというサイトラインのチェックはしていたが、十分でなかった」と、設計の不備を認めている。

槇総合計画事務所は不備を認める

 市建設事務局によると、槇総合計画事務所は設計の打ち合わせ時に「敷地条件などから1300席の確保は厳しい」と指摘していた。しかしその後、「中央部客席から舞台を見た視線を表した資料」によって舞台の見やすさに関して説明したものの、2階席に舞台が見えにくい席があるという説明はしなかった。
 市はこうした経緯から、市に過失はないと判断。槇総合計画事務所と協議した結果、槇事務所側が改修工事費を全額負担することで合意した。改修費は槇事務所が積算中だ。
 槇総合計画事務所の担当者は、「市芸術館大ホールのような囲み型ホールの設計は、広島県三原市の三原市芸術文化センターで経験していたので、同様のホールは設計できると考えていた。座席から舞台がどう見えるかというサイトラインのチェックはしていたが、十分でなかった」と、設計の不備を認めている。