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『故郷に帰ります』の潔さ

13時過ぎ、mailを読み始める。ゴルドーニHPの『GOLDONI推奨の本』『劇場へ美術館へ』の毎月一度の更新日、「面白い」「精力的に観てますね」「GOLDONI Blog、日記じゃないのにネタがつきませんね」などの便りが5通ほど。同様の電話も続く。14時前、亀戸文化センターの村田曜子さんから、舞台芸術財団演劇人会議発行の季刊「演劇人」の次号に掲載予定の原稿を(せっかちに)事前に読みたくてFAXで送って戴いている最中に、静岡文化芸術大学教授の伊藤裕夫氏が来店。「(依頼されている原稿を)僕はまだ書いていないんです」。研究会や会議、シンポジウムでお会いし、お話する機会は度々あるが、ゴルドーニの整理整頓の出来ていない(書斎のようだと言われること度々の)狭い応接ブースでの久しぶりの密談いや雑談、原稿執筆のお願いなど。
15時過ぎ、伊藤氏と入れ替わるように若い男女の二人組。腰を据えて戯曲を探しているので、いつものように「お茶が入りました」。昴演劇学校の2年生だという。ゴルドーニは劇団文学座と提携し、座員や研究生に本の無償貸出や新刊・古書・洋書の割引販売などの便宜を図っているが、ここ三ヶ月の来店者は、女優の本山可久子さん、演出の松本祐子さんや企画事業部のスタッフくらい。代わって四季や昴の若い劇団員や研究生がよく現れるようになった。女性の方に「半年後に、昴に入れなかったら、どうする」と訊くと、「昴が良いと思って学校に入ったので、選考されなければ他の劇団の養成所に移らず故郷に帰ります」。だらだらと演劇ヤッテルつもりの「演劇人」や、その予備軍が量産されるこの時代、こういう潔さに触れることは稀だ。彼らの精進、達成を祈る。