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イタリア文化研究

15時前、ドア越しに葉書を右手にかざして店を覗く人。先ほど郵便配達は来てくれたばかりなのにと訝って出ていくと、随分と貫禄のある普段着の郵便配達人は、実はイタリア文化研究の泰斗・田之倉稔氏だった。「GOLDONIのホームページを観て、推奨本を買いたくなったんだけど、アドレスが書いてないし、いくら電話を掛けてもFAXしても、あなたが出ないので葉書を書いたけれど、届けに来てしまった」。せっかくなので、差出人が手ずから届けるという稀にして価値ある葉書を戴くことにする。「朝から電話、FAXとも使っていますし、キャッチホンなのだけれど、掛りませんか。何番にお掛けになりましたか」と伺うと、何度も掛けてくださったのだろう、すらすらと、「××××の2771」。間違っていたけれど。今日はダヌンツィオについて小一時間伺う。最近の新聞記者の記者気質も。
GOLDONIを開いた頃に、「ゴルドーニという人は、どういう人ですか」と初見の客に訊ねられ、少し説明したら、その後に名刺を出された。イタリア演劇研究が専攻の大学助教授だった。悪戯心で訊いた訳ではなさそうだったが、口頭試問は落第だったのか、以来お越し戴いていない。礼節の国・韓国でも、礼節をかなぐり捨てた我が国でも、俗に染まらない大学人には、名刺を後で出すという変わった作法があるらしい。テレビ局や芸能プロダクションなど生き馬の目を抜く世界の人々との交流で学習したか俗なことでは人後に落ちないが、社会規範からは外れたいまどきの演劇人のいまどきの仕事は、先述の人たちとの新大衆演劇か地方自治体との協働、芸術監督そして大学での実技指導。こんなところで、社会性が身に付くのだろうか。