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『TERRA NOVA』と『大手町』

昨夕は文学座アトリエ公演『TERRA NOVA』の翻訳者・名和由理さんがGOLDONIに訪ねてくれて、長い時間話し込んだが、今日は演出の高橋正徳君が寄ってくれる。初演出の稽古場は、つらく厳しいものだったようだが、「同世代の仲間内でやらず、台本を自分以上に読み込んで臨む先輩たちに揉まれたことは大きな収穫」と。1時間ほど話したが、「GOLDONIはほかにはないサロンですね」と言い残してアトリエに戻って行った。入れ替わるように、大手企業で人事戦略セクションの長をしていた友人が、隣町の大手町に所用で来た帰りに立ち寄ってくれる。「新委嘱・新任の組織・部門のトップというものが、着任の3ヶ月以内に新しい方針を打ち出せなければ、その組織は変わらない」、「部課長に意見を求め、その考えを少しずつ取り入れて出してきた方針は、当然のことだが骨格のないもの、誰の考えとも相容れないものになる」。大きくは中央官庁・地方自治体の施策、小さくは文化施設の建設・運営計画などで思い当たる話だ。ミニレクチャーが終るところで、『TERRA NOVA』で一緒になった日本経済新聞の編集委員・河野孝氏が登場。島根県安来市にある『足立美術館』の庭園の話から、日経本紙に連載されていた米子・今井書店のこと、出雲大社・氷川神社、本居宣長の山桜までの1時間の談義。現代演劇の話題では、互いに沈黙し溜め息が出ること度々だが、話が演劇から離れると、時の経つのを忘れ、のんびり豊かな会話になる。「長居してしまった」と仰りながら大手町に戻られる。
明治大学演劇専攻3年生の松本修一君が来店。彼が書いた俳優座劇場でのセミナー・シンポジウムについてのレポートの感想を求められる。30分ほど話して大手町のアルバイト先へ向かった。閉店時間の18時過ぎ、来客・本探しの客が引いたところで、『TERRA NOVA』でアトリエデビューの舞台美術・乗峯雅寛君からの、舞台の感想を求めるmailを読んでいると、親しくしている教育NPO『粋塾』代表の志村光一さんが現れる。一昨日、まつもと市民芸術館での小沢征爾指揮の『ヴォツェック』を観て来た、と。ヴァイオリン指導「スズキ・メソード」の鈴木鎮一氏の邸宅に出来た『鈴木鎮一記念館』にも足をのばしたそう。生前の鈴木鎮一氏の教育への情熱についても伺う。演劇についての教育のあり方を考える昨今、教育の実践家との対話は貴重なもの。
今日もまた、『会う人みな師』の一日だった。