2021年07月

Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

アーカイブ

« 新春の初尽くし | メイン | 『白洲次郎』と『帝国ホテル』 »

『ヤング・トスカニーニ』と『三田文学』

昼過ぎ、「店の雰囲気に引かれて入ってしまいました」と仰って、地元の小学館のK氏が初めてご来店。お帰りの時は、「急ぎで新刊が必要な時は、いつでも連絡なさい」、とも。忝し。明治大学政治経済学部の3年生Y君、「日本劇団協議会の機関誌(ジョイン)は売っていますか」。残念だけれど、皆さんにお薦めするほどの質もなく、私自身も蔵書として保存していない。「何でそんなものを読みたいの?」と訊くと、最新号でメディアの側の人たちの座談会があってその部分を読みたい、と言う。その号はたまたま、末席を汚しているある研究会のメンバーに頂戴して読み、その座談会に新聞メディアを代表して出席していた記者氏にも、先日の俳優座創立六十周年記念の催しで会い、その折のことなど20分ほど伺っていた。Y君には「貸して差し上げる」と言い、あとは就職活動の話など訊く。
15時過ぎ、音楽評論家で、エイベックスの顧問をされている安倍寧氏と電話で話しているところに、毎日新聞特別顧問の諏訪正人氏が見える。ゼッフィレッリの『ムッソリーニとお茶を』のヴィデオテープをお返しし、当方のホームページの新コンテンツに寄稿エッセイを作る予定で、日本を代表するコラムニストの氏に厚かましくも玉稿を賜るべくのお願いもあって、ご多忙な安倍大先輩から頂戴した電話だったが、「諏訪さんがお見えになりました」と状況をご説明、後ほどお掛けします、と受話器を措かせて戴く。「11月に久しぶりに安倍氏と会いました」と仰っていた諏訪氏にも「安倍さんとお話していました」とお伝えすると、「電話の途中で、安倍さんにも済まなかった」。「『ヤング・トスカニーニ』が面白い。今度貸してあげる」。「原稿は書きます。テーマや締切りなどはメールで送って下さい」といつもながらのお心遣い。「安倍さんに詫びていたとお伝え下さい」と仰り、社にお戻りになった。その後直ぐにお待たせしている安倍氏に電話。「(クラシック音楽情報サイト)モーストリークラシック・エキサイトでお書きの『気分のよい瞬間』、面白いです」などと、文筆業50年の権威をつかまえて厚顔にも感想を述べる。「昨夜、安倍さんと親しい方のお嬢さんと会いました」と報告すると、彼女の父親が著名な作家であることを教えられる。『三田文学』の冬季号が、フランス文学の白井浩司先生の追悼特集を編んでいるそうで、慶應仏文出身者の「彼も、僕も、あなたのお兄様も書いていますよ」。編集修業をした『三田文学』の最新号すら読んでいない私に呆れながら(?)も、「近いうちに持って行ってあげる」と仰ってくださる。