2021年07月

Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

アーカイブ

« 百五十本、二十万字の『提言と諌言』 | メイン | 『規制改革・民間開放』と『文化芸術振興』(壱) »

『梶井基次郎』と『ブログの書き初め』

一、及第するべからず
二、常に哲学的考察をおこたるべからず
三、冗費をなすべからず
四、健康を増進せざるべからず
五、風采に拘泥すべからず
六、軽薄なる言辞を喋々すべからず
七、常に正義なるべし、誠実なるべし
八、我が癖をなほすべし 曰く、自堕落 曰く、他人の意志に迎合すること

梶井基次郎が日記を書き始めたのは、旧制第三高等学校(現・京都大学)に入学、肺結核を患い療養を強いられた大正9(1920)年の11月のことだそうだ。
上に引用した、日記の書出しにある言葉は、日記を書くにあたっての心得なのであろうが、近い将来の死を意識した基次郎の、残り僅かな人生の戒めでもあったのではないだろうか。
ブログは日記形式にはなっているが、本来的には、極小メディア、個人の言論の場だろう。ただ、そのように認識しているものは限りなく少数のようだ。無名な私でも、仲間内での無駄話のような書き込みで、からかいやあざけりの対象にする、ミュージカルや演劇ファン、演劇専攻の学生などが開設する匿名や変名のブログの被害にたびたび遭っている。そういうものに対しては、出所を調べて彼等の実名を明かし、抗議し謝罪を求めようと思っている私は良いが、名の高い人を含めて多くの人は泣き寝入りせざるを得ないのだろう。
ブログが大流行する昨今、基次郎の記した八ケ条の心得に心惹かれる。
新年のブログ書き初めである。