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『規制改革・民間開放』と『芸術文化振興』(参)

「大学生が考えた自主企画をメディアを使って社会に発信する大学生と本社の共同企画」と、リードに書かれていた朝日新聞の12月30日の18、19面の特集は企画広告の様だったが、お読みになった方は少ないかもしれない。
朝日新聞総合研究本部の協力で、7人の女子学生が1年かけて企画し編集したページだそうだが、その中心は、12月1日に行われたトークセッション「少子化日本を救う、多様な生き方、働き方」(朝日新聞社主催、青山学院大学後援)で行われた、経済同友会代表幹事・日本IBM会長の北城恪太郎氏の基調講演と、企画側の女子学生と北城氏との対話、会場での質疑応答である。
その中で北城氏は、美術を専攻しているという女子学生の、美術館の運営を民間に開放する動きは、芸術や文化も郵政と同じ民営化の土俵か、との問いに、次のように答えている。
≪心の豊かさは大切だが、そのために税金を使うことと美術館の運営を効率的に行うことは別問題≫
≪メトロポリタン美術館は殆ど、入場料や支援者らの寄付、お土産や美術品の販売で運営≫
≪スミソニアン博物館は、施設を企業の晩餐会などのイベントに提供≫
≪民営化すれば営利主義に陥って、コストの高い作品が提供できない、文化を守るためにお金を削るのはけしからんというが、それは努力しないで今の仕事を続けたい人たちの主張のように聞こえる≫
≪国から運営交付金がないぐらいの気概を持って運営すれば、色んなことができる≫
≪民間企業から見ると、効率化できる余地がある≫
≪芸術だからといって、無駄は許されない≫。

質疑応答では、企業のCSR(社会的責任)についてはどう考えているか、との会場の女子学生からの問いに、社会的責任を重視した経営は、消費者の支持するところであり、CSRには寄付や芸術だけでなく、環境や育児支援もある。本来は企業の支援ではなく、サービスの強化こそ必要、と述べ、「規制と補助金がこの分野の活力をなくしてい」ることを指摘している。
芸術・文化の分野、とりわけ演劇界では、北城氏が指摘する育児・保育や介護の世界での問題同様、いやそれ以上に「規制と補助金」が事業の民営化、透明化、健全化の大きな障害になっていると思うのだが、これは私の大きな勘違いなのだろうか。