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バイエルン総監督・ジョナス氏の講義録(弐)

「私がミュンヘンで学ぶ必要のなかったことが一つあります」と前置きして、ジョナス氏は講演を続ける。以下はその要約である。
それは、英国人が生まれ持っている、権力を疑うことが市民にとって最優先される義務であり、また、芸術世界で働く者すべての義務でもある。政治家は都合よく、民主主義を標榜するが、それは逆に人々の発言を阻止して初めて効果的なのである。政治家は自らが代表する社会と同様に、芸術団体によって高尚な立場に置かれたがり、芸術団体を自らが所有するものとはき違えている。忘れてならないことは、政治家、特に大臣たちは、現実と婚姻関係にあること。だから、私のように、どの政党にも属さず、将来的野望も持たない者が、カンパニーの何百人のためにも、特に芸術的表現の自由が損なわれる危機がある時は、声を大にして発言しなければならない。また、芸術団体自体も、苦しい時代には援助、資源が限られるだけでなく、削減されかねないことは理解すべき。しかし、私たちが注意を払って行動しなければ、国家はグローバルな消費市場とマス・メディアとともに、ぎこちなくとも生き続けなければいけない芸術や芸術家、芸術団体を簡単に飲み込んでしまう。
「私がいるバイエルン州が一番得意なことは… 」とジョナス氏の話は続く。
それは、自動車を作ることだったり、ハイテクではない。あるいはサッカーでもない。ビールを作ることでもない。バイエルン、ミュンヘンが一番優れていることは文化である。町や州にとって、文化で栄えること、文化で知られることが最も尊いこと。同じことは西洋の社会、町、州についても言えることである。
文化が産業の繁栄の影響、きっかけになっている。企業の考え方、あるいはデザインにそれが現れている。アップルコンピュータしかり、BMWしかりで、同じことがシーメンスやポルシェにも言える。こういう企業は、利益のことだけを考えて成功したのではなく、文化とヴィジョンをビジネスに付け加えて栄えたのである。
今回は、ジョナス氏の政治権力、そして産業界との相互の影響関係についての意見を拾った。