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バイエルン総監督・ジョナス氏の講義録(六)

3月2日から続けている「ジョナス氏の講義録」だが、月末までにもう2、3回続けて取り上げる予定でいる。2006年3月のこの『提言と諌言』は、ジョナス氏の講義一色になりそうである。今回も、講義録から要約せずに(部分的には補足をしながら)書き写す。
「最後に一点、オペラ・カンパニーの統率については非常に難しい問題で、パフォーマンス(公演、公演の成果)をどうやって秤にかけるかです。ここで一ついいことがあります。それは、芸術というものは計れないのです。色々なマネジメントやメディアが、また政治家たちも、芸術の結果を計ろうとしました。しかし、パフォーマンスは一人一人の人間にみんな違う印象を与えるので、客観的に計ることは無理なのです。
今日この話の最初に、自分たちが仕える対象を挙げたと思います。そこに戻りましょう。その一つ一つに対して、どのように自分たちが業績を上げられたか、実際にチケットの売上がどうであったか。そういうことをもとに、自分たちを守らなければいけません。自分たちが仕える対象にいいものを提供できない、チケットが売れない、その二つがありますと、やはり自分たちを守ることは難しいです。もちろん、皆がすべての作品を好むわけはありません。彼等が何が好きで、何を好まないかもやはり受け入れるべきです。すべてのパフォーマンスに皆が色々な反応をします。ネガティブな反応というのは、やはり何か刺激されているということなのです。美的意識が刺激されたり、また自分の知らない世界を突きつけられたり、抑えつけていたものを見せつけられたりするときなのです。オペラの作曲家の中では、言葉がリブレットや歌詞として、プロメテウスの炎のように燃えています。でも、人々はリラックスして、ただ美しい音楽、美しい声に溺れるためにオペラには行きません。東京で一日働いた後、オペラに行ってリラックスしようとは考えないでください。リラックスするためには、サウナに行くほうがよっぽど効果的です。」
「オペラは、人々の考えを刺激するためにあるのです。」