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バイエルン総監督・ジョナス氏の講義録(九)

ジョナス氏のマーケティングについての答えは続く。
我々が目指したものは、洗練されたターゲティングをするオペラ・ハウスを作り上げること。バイエルンのホームページなどのヴィジュアルや印刷物等でのグラフィックのイメージは、12年間変わらずに一貫している。地元の自動車メーカーであるBMWのロゴと同じように、歌劇場のイメージは聴衆に広く理解されている。それをマーケティングのテクニックに加えた。また、ボックス・オフィスをコンピュータ化して、聴衆のチケット購入の分析をしている。たとえばバロックのチケットの購入者にはバロックの情報を、ワーグナーの購入者にはワグナーの情報を送る。指揮者や演出家、歌手についての好みも分析してその顧客にあった情報を送るようにしている。そのためには多くのハードウエア、ソフトウエアが必要になってくるが、これを活用してメーリングをした時の効果は非常に高い。
我々は、すべての席、立見席が売り切れるまでは、「完売」と言う言葉は使わない。バイエルンが、いつも完売だというイメージを作り上げれば、人々はかえって来なくなる。
また、招待席をなくした。州の首相以外はどなたにもチケットを買って戴く。有力者がチケットが取れないと言ってくれば、「もちろんチケットを取って差し上げますよ。クレジット・カード・ナンバーは?」。これでクレームなしでチケットを購入してくれる。