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「新国立劇場の開館十年」を考える(十八)
≪巨額な国費が投入されながら、理事長・芸術監督が専念しない不思議な劇場(五)≫

公務員改革に慎重な福田首相も、「適材適所でも天下りは二回まで」。
今回は、6月6日に開かれた衆議院決算行政監視委員会での審議から、民主党の長妻昭議員と福田首相、額賀財務相との質疑応答の一部を紹介する。
長妻議員は、タクシー接待問題、後期高齢者医療制度や、年金記録問題を質した後、本題の決算問題を取り上げ、平成十八年度の特別会計と一般会計による日本国の総支出(百五十兆円)中での無駄遣いを追及。答弁に立った額賀財務相は「全省庁の支出についての会計検査院の指摘は三百十億円。今年度予算では百五十二億円の削減を行った」と答えた。これに対して、長妻議員は削減のケタが違うとして、民主党の試算によれば、十五兆円強の削減が可能と述べ、ひもつき補助金システム、天下りあっせん仲介システム、特別会計システム、官製談合システム、随意契約システムと呼ぶべき官僚組織が作り出したシステムが、「税金の無駄遣いを自動的に生み出す仕組みとして各省庁に埋め込まれている」と指摘した。
 答弁に立った福田首相は、政府、行政における無駄は看過できない。天下りについては、本来あるべきことではなく、無駄、癒着などが顕著であり、排除しなければならない、と答えた。
 それに対して長妻議員は、旧自治省(現総務省)の事務次官経験者の「天下り(わたり)」の例を挙げ、四度の天下りのすべてを役所が斡旋していると指摘、先進七カ国で国が天下りの斡旋をしている国は日本以外にない。総理の権限で天下りを禁止するようにと要求した。
 これに対して福田首相は、度の過ぎた「わたり」はいけない。適材適所であれば行政経験者が独立行政法人、それに関係する公益法人で仕事をすることはあってもよいが、その必要性についても、独立行政法人やその公益法人で適切に処理すべき問題だとして、「これは四回でしょう。こんなのはやり過ぎ」、「(長妻議員に二回はいいのか、と問われ)二回と四回は全然違いますよ」と答えた。
 
 独立行政法人日本芸術文化振興会の設置する新国立劇場の運営を随意契約で委託されている財団法人新国立劇場運営財団の理事長(常勤)の遠山敦子氏は、27日に予定通りに広告業界最大手の株式会社電通の社外監査役に就任した。
 遠山氏の略歴を記す。
昭和13(1938)年12月10日 三重県生まれ。現在69歳。
昭和37(1962)年4月  文部省入省。
平成8(1996)年1月   文化庁長官(最終官職)を退任。文化庁顧問に就任。
同年6月           駐トルコ共和国特命全権大使に任命。
平成11(1999)年10月 文部科学省顧問に就任。
平成12(2000)年4月  国立西洋美術館館長に就任。
平成13(2001)年4月  独立行政法人国立美術館理事長に就任。
同月             小泉内閣で文部科学大臣に就任。平成15年(2003)年9月まで。     
平成16(2004)年4月  大学評価・学位授与機構 客員教授に就任。(現在も退任せず)
同年5月           国際日本文化研究センター 客員教授に就任。 
平成17(2005)年4月  財団法人新国立劇場運営財団理事長に就任。(現在も退任せず)
平成20(2008)年6月  株式会社電通社外監査役に就任。

 同様に、文化庁の文化部長などを経て、現在は新国立劇場運営財団の筆頭の常務理事に天下っている霜鳥秋則氏の略歴も紹介する。
昭和22(1947)年9月  北海道生まれ。現在60歳。 
昭和46(1971)年4月  文部省入省。
平成8(1996)年7月   文化庁文化部長に就任。
平成10(1998)年4月  長岡技術科学大学副学長に就任。
平成13(2001)年4月  小山工業高等専門学校長に就任。 
平成16(2004)年4月  自然科学研究機構理事に就任。
平成18(2006)年4月  財団法人新国立劇場運営財団常務理事に就任。
 
 文部科学省の斡旋による「天下り」は、遠山氏は省庁顧問(二回)、電通監査役就任を除いても四回、霜鳥氏は二回である。福田首相の理解では「四回の天下りはやり過ぎ」で、「二回と四回は全然違」うのだそうだが、民主党、長妻議員は、首相のアッパレな言質を取ったのだから、旧自治省官僚OBの古い事例で追及せず、二回以上の天下りを総務省にリストアップさせ、新国立劇場の二羽の渡り(天下り)鳥の例を取り上げて、次の国会で追及すべきである。