2017年09月

Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

アーカイブ

« もうひとつの「7月14日」   | メイン | 「新国立劇場の開館十年を考える」(二十五)≪次期芸術監督人事について(二)≫ »

「新国立劇場の開館十年を考える」(二十四)
≪次期芸術監督人事について(一)≫

 7日に、芸術監督の交代についての新国立劇場運営財団(遠山敦子理事長)の対応を社説で批判、畳み掛けるように9日朝刊の文化面で、次期芸術監督の人事迷走ぶりを報じ、尾高忠明氏の「納得できねば辞退も」とのコメントを載せた朝日新聞だが、14日、18日には、ともに2百字足らずの短信を掲載している。
<監督人事、詳細開示を>朝日新聞7月14日夕刊
 新国立劇場(東京・初台)演劇部門の芸術監督交代をめぐり、演劇人有志と日本劇作家協会、日本演出者協会、国際演劇評論家協会日本センターが14日、「選定過程が不透明だ」として詳細の開示を求める声明を出した。
 会見で劇作家の井上ひさし氏は「税金を使っている劇場なのだから、(交代の)狙いや理由を提示すべきだ」と話した。声明には、井上氏に加え、蜷川幸雄、坂手洋二、永井愛、別役実、木村光一、佐藤信ら計12氏が名を連ねている。

<劇場側「運営は透明」>朝日新聞7月18日朝刊
 新国立劇場(東京・渋谷)演劇部門の芸術監督交代をめぐり、日本劇作家協会などが選考過程の情報開示を求めた声明に対し、同劇場運営財団(遠山敦子理事長)は17日、「国民の負託にこたえられる透明性の高い運営をしている」などと文書で回答した。選考過程は非開示で、討議参加者のは守秘義務があるなどとし、審議の詳細なプロセスは開示できないとした。 

 
 前後したが、14日に出された「芸術監督選定プロセスの詳細開示を求める声明」と、劇場側の回答を受けて22日に出された「芸術監督選定プロセスの詳細開示を、再度求める声明」が、日本劇作家協会と国際演劇評論家協会日本センターのサイトに掲載されていた。

「芸術監督選定プロセスの詳細開示を求める声明」
 新国立劇場運営財団は6月30日、オペラ、舞踊、演劇の次期芸術監督を発表しました。
 演劇については、「6月23日の理事会では鵜山監督の続投を主張する声もあったが、遠山敦子理事長に一任となった」と、報道されていますが、採決が不可能だった理事会の審議過程そのものを問題視する意見が出ています。また、芸術監督の選任について、選考委員会に差し戻すこともなく、なぜ理事長に一任するという異例な結果になったのかも不明瞭なままです。
 7月1日付読売新聞、7月7日付朝日新聞、7月8日付毎日新聞でも指摘されているように、財団執行部が進めた今回の芸術監督交代については、各方面から疑問の声が上がっており、選考委員会、理事会で正常に検討、議決されたとは思えません。
 芸術監督選びのプロセスを曖昧にしようとする財団執行部のやり方は、芸術監督制度と芸術家を著しく軽視する行為であり、決して見過ごすことはできません。
 私たちは、ここに強く抗議するとともに、今後このようなことが繰り返されないためにも、芸術監督選定の手続を明らかにすることを要求します。
 2008年7月14日
 井上ひさし 大笹吉雄 小田島雄志 木村光一 坂手洋二 佐藤信 沢田祐二 永井愛 蜷川幸雄 ペーター・ゲスナー 別役実 松岡和子
日本劇作家協会 日本演出者協会 国際演劇評論家協会日本センター
 
「芸術監督選定プロセスの詳細開示を、再度求める声明」
 新国立劇場運営財団は7月17日、「芸術監督選定プロセスの詳細開示を求める声明」に対して「回答」を提出しましたが、私たちは、これは私たちの求める「プロセスの詳細開示」に対する回答にはなっていないと考えます。
 新国立劇場運営財団は、「芸術監督選考を巡る理事会でのやり取り」を記した永井愛理事が会議の内容を公開したことを、「守秘義務」に抵触すると指摘していますが、私たちはそのようには考えません。このたびの芸術監督選定過程に於いて問題になっているのは、鵜山氏やその後任者についての「個人の資質、評価」ではなく、新国立劇場運営財団執行部の進め方、手続きの踏み方の「プロセス」の正当性です。こうした財団執行部の対応は、問題の本質をすり替えるものです。
 非公開であっても、そこに、公正さを損なうおそれのある審議が行われていた可能性があるとすれば、そのことについて内部からの告発があった経緯こそを、重く受け止めるべきです。詳細開示を求めるメンバーの中に、永井理事のみならず、新国立劇場運営財団の理事、選考委員、評議員が入っていることは、このことが新国立劇場運営財団内部に留めておくべきではなく、広く社会に問いかけるべき問題であるという、私たちの判断を示しています。
 そもそも、新国立劇場運営財団執行部による記者会見の内容が、多くの報道陣に違和感を与えたばかりでなく、新国立劇場運営財団の一部の理事、選考委員、評議員の認識とも大きく食い違っていたことから、このような詳細開示を求める声が上がったのです。
 新国立劇場運営財団に、あらためて「プロセス」についての詳細の公開を求めるとともに、今回の回答の中で言及されている鵜山仁芸術監督にも、あらためて事実関係を証言して頂きたいと思います。
 2008年7月22日
 井上ひさし 大笹吉雄 小田島雄志 木村光一 坂手洋二 佐藤信 沢田祐二 島次郎 扇田昭彦 永井愛 蜷川幸雄 ペーター・ゲスナー 別役実 松岡和子
日本劇作家協会 日本演出者協会 国際演劇評論家協会日本センター