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「財団法人新国立劇場運営財団の存廃」について考える(一)

自民党政務調査会・無駄遣い撲滅担当チームが向ける新国立劇場への厳しい眼差し(1) 
 
 昨年6月3日、自由民主党は政務調査会の中に、無駄遣い撲滅プロジェクトチーム(PT)として「公共事業」「社会保障」「エネルギー・農業」「文教・科学技術等」の4分野の検討チームを置き、中央官庁へのヒアリング等を行い、同月30日に「無駄遣い撲滅対策」(第一次緊急とりまとめ)をまとめた。その後、21年度予算編成では、この作業を反映させ、行政経費の削減・簡素化で554億円、公益法人向け支出で3651億円、独立行政法人向け支出では1372億円、特別会計の見直しで1兆2400億円、政策の棚卸し(3年以上継続している事業の見直し)では、一般会計で5500億円、特別会計では、3300億円など、総額では2兆7千億円程度の削減を行ったという。
 この中の、行政経費の削減・簡素化には、昨年6月19日のブログ、『新国立劇場の開館十年を考える』第17回  ≪官僚批判喧しい最中、電通の社外監査役に就任する天下り劇場理事長>でも触れた、官庁職員の深夜タクシー利用(「居酒屋タクシー」)の制限、国土交通省による、劇団ふるさときゃらばん製作のミュージカルの中止なども含まれている。

 さて今回は、独立・非営利の政策シンクタンクである構想日本の協力でこの6月8日に行われた、自民党無駄遣い撲滅PTの「文教・科学技術等分野検討チーム(主査・河野太郎衆議院議員)による文部科学省所管の独立行政法人・公益法人の事業を検討する事業仕分け(政策棚卸し)についてである。外務省、文部科学省、環境省、財務省に対して、昨年4回に分けて行ったこの検討チームによる事業仕分けには立ち会ったが、今回は体調が芳しくなく、構想日本、河野太郎氏等のHP、ブログ、新聞各紙の記事でその概要を調べた。
 朝日新聞の記事は、≪アニメの殿堂「不要」 自民無駄遣い撲滅チーム≫の見出しで、
<「国立メディア芸術総合センター(仮称)」について「不要」「予算執行を停止すべき」と結論づけ、また、同様に695億円の予算が付く「産学官の地域の共同研究拠点」計画にも、「地域活性化も景気対策も効果なし」と批判した>などと報じている。また、読売新聞、日本経済新聞、共同通信など主要なメディアの記事・配信は、「産学官の地域の共同研究拠点」計画ほかの事業についての記載はなく、「アニメの殿堂」についてだけ取り上げていた。
 構想日本のホームページによれば、今回事業仕分けの対象になった法人(11)の事業(9)、同チームの判断は以下の通りである。

①(独)国立美術館 <国立メディア総合芸術センター>    不要
②(独)日本学生支援機構                     民間がすべき
③(独)科学技術振興機構                     ④と統合
④(独)日本学術振興会 <産学官の地域の共同研究拠点>不要
⑤(財)日本教材備品協会                     不要
⑥(財)民間放送教育協会                     不要
⑦(独)日本スポーツ振興センター                 改善すべき
⑧(独)国立大学財務・経営運営センター             不要 
⑨(社)ソフトウェア情報センター                  改善すべき 
⑩(独)日本芸術文化振興会                    ⑪と統合 
⑪(財)新国立劇場運営財団

 この自民党無駄遣い撲滅PTの検討チームは、昨年夏に行った文部科学省へのヒアリング、公開での事業仕分け、そして今回の公開の事業仕分けと、事前に行ったヒアリングの結果、文部科学省本省が進める事業と、独立行政法人・特殊法人・公益法人そのもの、その法人が委ねられる事業の多くについて、政権与党でありながらも極めて厳しい評価を下したと言える。上述の朝日新聞の記事は、「無駄な施策を挙げて批判したことがあるが、党内の異論でトーンダウンした経緯がある」と結ぶが、与野党逆転の可能性が高まったといわれる昨今の政治状況で、自民党の文教族議員からも文部科学省への批判の声が上がっていて、「国立メディア芸術総合センター」についても、構想自体が野ざらし、立ち消えになるのではとの声も聞く。

 このブログでは、「統合すべき」と判定された「独立行政法人日本芸術文化振興会」と、その施設のひとつである新国立劇場の運営業務を同振興会との随意契約によって委ねられている「財団法人新国立劇場運営財団」について、とりわけ、この財団の「存続」と「廃止」について考えていくつもりである。『新国立劇場の開館十年を考える』 と同様に、拙なくそれもやたらと長く、決して愉快な内容ではない文章になるが、ご笑読をお願いする。